ブログ執筆方針

みなさま、こんにちは!

筆者である私は、キャスレーホールディングスでサステナビリティやCSVに関するリサーチを行う三上諒子と申します。


今後は、企業が行うCSVのベスト・プラクティスやインパクトマネジメントを行うためのフレームワークなどのご紹介を、ブログを通じて行っていきたいと考えています。

ブログでは、持続可能な開発目標であるSDGsを初めとした世界で話題となっている各種問題を取り上げ、

企業として関わっている可能性がある場合に必要な対策、戦略、行動について考える機会を提供したいと考えています。


昨今、ますます注目度が増しているサステナビリティやESG(環境・社会・ガバナンス)ですが、

それらも含め、私たちは企業の社会的価値を最大限にできるような経営、体制を実現し、

また自社の取り組みを利用して同じ考えを持つ企業様もサポートしたいと考えております。

本記事は、今後ブログで執筆していく内容の方針を予め示したものになりますので、ぜひご一読ください。



概念の整理

まず初めに、私たちが定義している「インパクトマネジメント」とは、「企業が事業活動を通じて環境や社会に対してプラスとマイナスの影響(インパクト)を与えている場合に、

適切なマネジメント行うことによって企業が与えるマイナスの影響を最小化し、プラスの影響を最大化する」ことです。


業種・業界に限らず、企業は事業活動を通じて様々なインパクトを生み出しています。

商品やサービス自体が利用者に利益を与えている場合でも、その製造過程で環境への負荷や社会倫理に違反する行動をとっていては、本当にその商品やサービスが良いものであるのかを判断することは難しいです。


よって、企業がバリューチェーン全体を通じて与えているインパクトを総合的にマネジメントし、適切な指標を設けて測定を行って可視化、改善していくことが必要となります。

そのような活動を、私たちはインパクトマネジメントと考えています。


また、これから頻繁に使用していくSDGs、ESG、CSVの言葉については、各位置づけを私たちは以下のように考えています。


SDGs(Global goals):17つの持続可能な開発目標。世界中で早期に解決手段を図ることが求められている問題であり、私たちも一市民として、また一組織として優先的に取り組むべき問題と考えています。多岐に渡る社会課題を共通言語としたところに価値があり、インパクト特定の際にも積極的に活用します。


ESG:環境、社会、ガバナンスの頭文字を取った造語。ESGという言葉はESG投資でよく見かけられますが、その場合、主に企業と評価主体間の非財務情報の取引を円滑に行うための開示の枠組みを提供し、それらに基づいて投資判断が行われることを指しています。現在では、インベストメント・チェーン上の多くの主体がESGを考慮することを明示しているので、企業にとっても無視できない内容です。しかしながら、ESGデータから考えられる経済・社会・環境への実際のアウトカムの部分までは、まだ十分に考慮されていないと考えられます。


CSV:ハーバード大のマイケルポーター教授が提唱した概念、「Creating Shared Value」。私たちはこの考え方を経営に組み込んでおり、事業を行う際にも経済的価値と社会的価値が最大化されるようなフレームワークを利用しています。


SDGsとESG:SDGsとESGはガバナンスの部分を除いて、共通している項目が多いです。企業によって、SDGsをベースにした取り組み・開示を行っているところもあれば、ESGの枠で開示を行っているところもあります。理想は網羅的にインパクトを捉えることだと考えられるので、必要に応じて使い分ける必要があります。


SDGs・ESGとCSV:CSV自体は経済的価値と社会的価値を同時に最大化することですが、SDGsとESGを実行する手段でもあります。企業が関わっているインパクトの内、フォーカスエリアを決定し、戦略を立て行動していくことは、SDGs、ESG、CSVを上手く統合することにも繋がります。前者は取り組む対象、後者は取り組む手段と考えています。



ブログで分かること

では、実際にブログを通じてどのようなことが分かるのでしょうか。

筆者の私としては、主に以下の3つの内容を提供したいと考えています。


①各問題の一般的な知識

サステナビリティと代表される各種問題は幅広く、さらに一つの問題が他の問題にも深く絡んでいたりするため、表面的な知識だけでは問題の全体像を見落としてしまう可能性があります。

企業がインパクトをマネジメントしていく上では、確かに関わっている部分だけに取り組めば良いという考え方もありますが、ここでは一度、企業活動の文脈を抜きにして問題の背景、現状、規制の有無などを理解し、自分が認識している範囲以上の発見や繋がりを見つけることを目的としています。

問題に取り組むため前には、何よりも先に現状を把握し、理解することが重要です。

ただし、一つ一つの問題を深く見すぎると、より専門的な内容になってしまうため、ここでは一般的な知識としています。


②問題に取り組む企業のベストプラクティス

問題の一般的な知識を得たうえで、他企業が行っている優秀な取り組みを紹介します。

ここでは、単に取り組みを紹介するだけではなく、パーパス、戦略、ガバナンスなど他の要素とどのように繋がっているのかについても分かりやすく説明します。

紹介する企業はサステナビリティの先進企業で、国内外問いません。

優秀と判断する基準は、外部認証を受けていること、評価機関にケース・スタディの対象とされていること、透明性のある開示がされていること、などを考慮しています。

各記事の参考リンクに詳細は掲載されています。


③当社のインパクトマネジメントフレームワークの応用

私たちは自社でインパクトマネジメントを行う他、他企業様へのインパクトマネジメント支援も行っております。

実際に使用するフレームワークの概略を示し、実際に問題に取り組む際のイメージを持っていただきたいと考えています。

自社の取り組みに関する詳しい内容については、こちらのリンク先(HPのインパクトマネジメントページ)をご参照ください。



私たちが伝えたいこと

世の中をより社会的価値が重んじられるような社会にするため、CSVを実際に行う企業として私たちは積極的に啓発していく必要があると考えています。

事業を行う中で学びや反省点も沢山ありますが、だからこそ、中小企業として実際にCSVを行う企業目線を活かしたコンテンツを提供できると感じています。


そのような観点から、特に以下の2つのポイントをお伝えしたいと考えています。


社会課題に取り組む上での動機の大切さ

軽んじられがちな企業のビジョンやミッション、バリュー、パーパスなどの上位概念ですが、これらは企業の考え方の根幹を成すものであり、これらが抜けた状態で問題に取り組んでも、表面的な結果・評価しか得られないと考えます。

実際に、サステナビリティの先進企業はシンプルでインパクトのあるパーパスやバリューを明示し、何よりも先に自分たちの考えを理解してもらおうとしています。

強い動機があるからこそ、企業は全体で一つの方向性を持ちながら進んでいくことができます。


最近では、その有無がしっかり結果にも反映されてきているように感じられます(長期的な方針がない、など)。

私たちもこの動機の大切さを認識し、企業理念にCSVを取り入れています。

従業員一人ひとりがこの価値観を大切にしながら仕事に励んでいます。


ステークホルダー目線を重視する

通常、企業は営利組織であるため、利益のことを第一に考えなければなりません。

もちろん、この考え方は妥当で、企業が社会問題に取り組むことで企業価値を損ずれば、それは本末転倒です。

以前はこの利益追求が、企業のオーナーである株主を中心に行われていたため、非常に短期的な収益構造になっていました。


しかし、企業が長期的に発展することは本来、オーナーである株主にとっても良いことであり、リターンの安定にも繋がります。

このような持続可能な経営を可能にする一つの要素が、企業のありとあらゆるステークホルダーにとっての利益を考慮するということです。


企業は知らず知らずの内に、社内外の様々な資本(ステークホルダー含む)と相互依存の関係にあり、自社を含めた全体の発展のためには株主重視の考え方から、ステークホルダー重視の考え方へ移る必要があります。

それが、ひいては自社の利益に繋がります。


このような考えの元、私たちは「従業員」「顧客」「会社」「社会全体」を重要なステークホルダーと捉え、それぞれの利益を考慮したビジネスを行いたいと考えています。



さいごに

以上が、今後のブログ執筆方針になります。

各記事の内容が一貫性を持ったものになるよう配慮しております。


記事によっては分かりにくいところや、追加の情報が必要なところもあると思いますので、もしお気づきの点や不明な点等ございましたら、どうぞコメント欄へのご記入をお願いいたします。

また、上記の文中でも申した通り、インパクトマネジメントの支援サービスを行っておりますので、こちらにご興味のある方も、ぜひお気軽にキャスレーホールディングスまでお問い合わせください。


キャスレーホールディングス株式会社

キャスレーホールディングス株式会社のコーポレートサイトです。 当社は、経済的価値と社会的価値の同時創出(CSV:Creating Shared Value)を、最先端のICTで実行する企業の持株会社です。 システム開発、画像解析(AI、深層学習)、アグリテック、フィンテック、ハードウェア(FPGA、GPU)などの技術を保有する会社へのインキュベーション・統括をしています。会社概要・理念・研究など。